オリンピック期間中の首都高利用にご注意!(ショーファーサービスのコラム 2021.6.1)
当初の予定から1年延期されたオリンピック東京2020大会は、来月7月19日から、パラリンピック大会は、再来月8月24日から開催が予定されています。
ようやくですが、交通規制に関する情報が少しずつ出てきました。
警視庁のホームページに『東京2020オリンピック・パラリンピック関係の交通規制』として各リンクがまとめられています。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/doro/regulation/tokyo2020/index.html
(注)本稿のアップ時点では、開催予定を前提にしております。
首都高速は交通規制とロードプライジングを実施します
今回の大会における交通対策について大会組織委員会では、選手・関係者を運ぶ車が通る「五輪ルートネットワーク(ORN)」を全国約1,300㎞の高速道路・一般道に設置します。
会場周辺の一部の道路においては関係車両以外の車が通行した場合、道路交通法の違反対象となり、交通反則告知書(いわゆる「青キップ」)が切られ、行政処分対象(違反点数1点、反則金:普通車で6,000円)となる可能性があります。
首都高速のホームページ上において、大会期間中の交通対策が発表されています。
https://www.shutoko.jp/ss/info2020/rp/
首都高速が行う交通対策は
1.TDM: Transportation Demand Management
公共交通機関や在宅勤務などのテレワーキングを活用することにより交通需要を調整する交通需要マネジメント
2.TSM:Transportation System Management
道路の交通混雑が想定される箇所において通行抑制や通行制限を実施することで、円滑な交通を維持する交通システムマネジメント
3.ロードプライジング
時間帯により料金の割引や上乗せをすることで、首都高速を利用する交通量を調整する料金施策
の3つを挙げています。
料金施策(ロードプライジング)に注意
3つの対策のうち1.TDMについては、もともと新型コロナウィルスの蔓延により、コロナ前と後とで大きく環境が変わったことで、調整しやすくなっているのではないかと思います。
また、2.TSMについては、交通状況に応じて、本線料金所の通行制限をしたり、入口閉鎖を実施したりして、首都高への車両の流入量を抑制する方法で、平成初期ごろまで、渋滞状況に応じて一定時間、特定の首都高の入口閉鎖を行っていたのと同じ考えのため、比較的受け入れやすいと思います。
やっかいなのが、3.のロードプライジングではないかと思います。
今回、首都高速が行うロードプライジングは(1)夜間割引と(2)料金上乗せの2種類の施策を予定しています。
まず、(1)夜間割引における主な内容は、
適用時間 0時~4時
対象車種 ETCを搭載した全車種
【注意】現金利用車は対象外
割引区域 首都高全線・5割引
となっています。
一方で、(2)料金上乗せに関する主な内容は、
適用時間 6時~22時
対象車種 現金利用車(すべての軽・二輪、普通車)
ETCを搭載した軽・二輪車、普通車のうち自家用乗用車
①二輪車 「白地に緑文字」の車両
②軽自動車 「黄色時に黒文字」かつ分類番号が「5**」、「7**」の車両
③普通車 「白地に緑文字」かつ分類番号が「3**」、「5**」、「7**」の車両
上乗せ対象区域 一部末端区間から下り方向に走行する場合は対象外となるものの、
現金利用車は、首都高全線・料金1,000円上乗せ
ETC利用車は、首都高都内区間・料金1,000円上乗せ
となっていますが、上乗せ施策については、首都高速の各路線でも上下線ごとにカウントの条件が異なっていること、障害を負われている方(要申請)や一部の事業用車両や特殊車両(申請不要)については対象外となるなど、条件が複雑です。
詳しくは、首都高速道路株式会社の『東京2020大会における首都高速道路の交通対策』から料金施策のページに掲載されていますので、そちらをご確認ください。
https://www.shutoko.jp/ss/info2020/rp/
普段通りには動かない?
報道によれば、日本国外からの観客は受け入れを見送りましたので、当初のような激しい交通混雑は予想されないと思います。
しかしながら、TSMにより入口を封鎖されたり、会場周辺で道路の迂回措置・車線規制がされたりすれば、遠回りをしたり、所要時間が大幅に伸びることが予想されます。
都内区間が料金上乗せになるのであればと考え、上乗せ区間外から高速道路を利用しようとして、そこまで一般道を走行するということもあるかもしれません。
そうなってくると、普段通りには動かなくなることも考えられます。
わたしたちショーファーサービスのように、役員車の運転サービスを担う者からすると、ご乗客に対し「快適に」、「安全に」かつ「可能な限り最短時間」で目的地にお送りすることを求められます。今回のように大きなイベントにより交通規制が実施された場合、「普段通りの道」が最善の道ではなくなる可能性があります。
では、どうするか???
まずは、常に2・3ルートを頭の中にイメージできていることが必要です。
そのためには、普段から地図を見ること、「普段通りの道」でないルートで移動してみることではないでしょうか。
近年のIT技術の進歩により、車載ナビゲーションシステムは大幅に性能が向上されています。もしかすると、AI(人工知能)によって先ほどのような心配は杞憂かもしれません。
それでも、ショーファーサービスとしては、各ドライバーに対して普段から、常に2・3ルートをイメージできるようにと伝えています。
それは、ナビゲーションに頼り切るのではなく、瞬発的に判断しルート変更するためにも、普段から「頭の中で地図が描ける」状態でいることを求めているからです。
今回のオリンピックがどのような形で開催するのか(または、しないのか)になりますが、規制の結果、どのような交通の流れになるのか、個人的には興味を持っています。