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会社線がなくなる?(ショーファーサービスのコラム 2021.5.3)

会社線がなくなる?(ショーファーサービスのコラム 2021.5.3)

東京都中央区銀座にちょっと不思議な道路が存在します。
首都高速都心環状線の汐留ジャンクション(JCT)と京橋JCTの間に設けられ、有楽町~新橋あたりではJR線とほぼ同じ高さで並走し、路線の下にはビルとして会社や店舗が入居している全長約2.0㎞の東京高速道路株式会社線、通称、会社線、KK線と呼ばれているこの不思議な道路、この道路はいずれ車が走らない道路になりそうです。
※今回のコラムに限り、東京高速道路株式会社線を「会社線」で統一して表記致します

会社線再生計画
2019年から東京都、中央区、東京高速道路株式会社で検討・計画が始まっています。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/kotsu_butsuryu/kk_arikata.html

計画のきっかけは、首都高速都心環状線日本橋地区の地下化事業(以下、地下化事業)です。
地下化事業については、前回のコラムで取り上げていますので、そちらを参照してください。
現在の会社線は他の高速道路と異なり、設計上、耐荷重、路肩・中央帯の幅員、曲線半径が不足しており、首都高速八重洲線同様バスや1ナンバーのトラックの通行には対応できていません。
検討会では大型車の環状方向の交通機能確保の対策を検討し構造強化案と別線を地下で整備する案の2案に絞りました。
ところが、構造強化案の場合、補強工事期間中のテナントへの長期休業や移転などの影響や銀座地区の活気と賑わいへの影響に対する課題から、また地下別線整備案の場合、既存の地下埋設物や首都高速の築地川区間の大規模更新事業との関係からさらに調整を要するなどの理由により、2案いずれの整備によっても、会社線と八重洲線との接続が困難となる箇所が生じることが判明したのです。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/kotsu_butsuryu/pdf/arikata_06.pdf

結果として現時点では、2030年ごろの地下化事業完成のタイミングで、会社線は廃止し高架上の道路跡地に空中公園を整備する検討を始めています。
老朽化と首都圏3環状道路
この再生計画に至った最初のきっかけは、「老朽化」と「首都圏3環状道路」ではないかと個人的には推測しています。
「老朽化」については、前回のコラムの通り、都心環状線や会社線のように1950~60年代に建設された施設の更新時期に差し掛かっており、早期に対応しなければならない状況になっていることです。
もう一つのきっかけである「首都圏3環状道路」についてですが、まず首都圏3環状道路というのは、
①首都高速中央環状線(C2)
②東京外かく環状道路(外環道 C3)
③首都圏中央連絡自動車道(圏央道 C4)
の3つの高速道路のことを指します。
会社線ができた頃から首都圏では、東名や東北などの放射方向の高速道路の整備が先行した一方で、それらを結ぶ環状道路の整備が遅れた結果、首都圏の通過車両も都心部へ集中し慢性的な渋滞が発生していました。
この“都心に用のないクルマによる都心環状線への流入”を減らすために整備が進められているのが、「首都圏3環状道路」の整備事業です。
https://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/road_shihon00000115.html

とくに、圏央道の整備や首都高中央環状線の全通によって、都心環状線の交通量が顕著に減少したのは、ご存じの通りと思います。
都心環状線の交通量が減ったことで、地下化事業や会社線の廃止へ舵取りされたのではないかと考えています。
10年後・・・
地下化事業完成や会社線の廃止は今から約10年後の予定ですが、影響は来月の呉服橋・江戸橋・常盤橋出入口の閉鎖から始まります。
大手都市銀行の本店が存在する大手町、東京駅や日本橋の近くにある出入口ですので、役員車の運転サービスを行う私たちショーファーサービスのドライバーも影響があると思います。
工事が進捗してくると、成田空港(千葉方面)や羽田空港(神奈川方面)へ行くルートも影響が出てくるのではないかと思います。
まだまだ先のことですが、日々変わっていく道路事情に対して対応していかなければならないと思います。
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