役員車もにおいに気をつかう :ショーファーサービスのコラム2019.7.29
久しぶりのコラムです。
気象庁は、7月25日までに、九州、四国、中国、近畿、北陸の各地方で梅雨明け宣言をしました。
当社がある東京地方も梅雨明け間近ですね。
さて、この「梅雨」のこの時期、「におい」というのも気になる季節です。
役員車においても当てはまります。
- 自動車車内の「におい」の原因
- 自動車車内の「におい」の原因には、
①新車時のにおい
②フロアマットの雨や泥の臭い
③エアコンの風
④タバコ臭
⑤シートに染み付いた汗
⑥体臭や香水臭
⑦食べ物
⑧ペット臭
が挙げられます。 - 「におい」の発生メカニズムと対処方法
- このうち、役員車の場合、⑦のペット臭と⑧の食べ物臭は、業務の性質上極めて稀なケースなので割愛いたします。
一方、そのほかの6つの原因は、あり得る原因とおもいますので、それぞれの対処方法についてあげてみたいと思います。
①の新車時のにおいは、内装に使用されている揮発性の高い接着剤などの有機化合物が原因と思われます。
基本的には、蒸発するので、時間経過とともになくなっていくのですが、できるだけ早期にということであれば、
(1)よく晴れた日に、窓を開けて蒸発と車外放出を促す。
(2)固く絞った濡れ雑巾(できれば新品で)で車内を拭く
これらのことで改善できると思います。
②のフロアマットの雨や泥の臭いは、考えてみれば当然ですよね。
洗車するとき、ボディとかは洗うけど、フロアマットまで洗う方は少ないかと思います。
せいぜい、小石を取り除くくらいでしょうか。
ここにたまった、雨水、泥、ホコリが原因となって臭いを発生させてしまいます。
簡単なのは、給油時にフロアマットを取り外して洗ってもらうことです。
スタンドによって無料・有料ですが、自分でやるより楽ちんですよ。
オートバックスさんとかでも室内清掃のサービスの中にフロアマット洗浄も入っているようです。
ここで注意していただきたいのは、洗った後ちゃんと乾燥しておくこと。
そうしないと生乾き臭となって、臭いの原因となります。
余談ですが、室内を濡らさない工夫に、傘袋を利用するのも手です。
スーパーやデパートとかにある、薄いポリエチレンのものだと、ちょっとしたことで穴が開いてしまいますので、分厚いポリ塩化ビニル製のものの方が、丈夫で商品によっては、2・3本入るものもあります。1個1,000円前後ですが、濡れた傘で嫌な思いをすることから解放されますよ。
③のエアコンからくる臭いの原因は、カビ(!)です。
空気を冷やす働きをするエバポレーターと車外や車内から取り込んだ空気のキレイにするエアフィルターというカーエアコンの2か所の部分が、カビやダニの温床となる部分で、臭いの発生原因箇所となります。
エバポレーターは、空気を冷やすところですから結露しやすく、結露によって発生した水分に花粉やホコリ・チリが付着蓄積することで、カビやダニが繁殖しやすい環境となります。
エアコンフィルターは外気・内気の花粉やホコリをシャットアウトし、クリーンな空気を車内に送るためのパーツです。汚れたまま使い続けるとカビや菌が発生しますし、エアコンの効きにも影響します。
応急的にはエアコン内部を乾燥させることが有効ですが、素人ではなかなか難し場所ですので、燻煙タイプの消臭剤を利用するのも手です。
やはり、定期的な交換と業者によるメンテナンスが安心で効果的かもしれません。 - タバコ臭や汗臭は、拭き取る
- ④のタバコ臭のにおいの原因は、タバコに含まれているタール等の成分です。
「吸わない」のが一番有効な手段ですが、非喫煙者の方でも喫煙スペースの近くを通るだけでも、成分が服や頭髪に付着し、車内に持ち込まれるケースもあります。
簡単な方法としては、市販の消臭スプレーをかけることで、改善されます。
その場合も、無香料の商品を選択する方がよいと思います。
その他の方法としては、ウエットティッシュは、湿らせたハンカチ・タオル等でふき取った後で、乾かす(乾いたハンカチ・タオル等で水分を取る)方法もあります。
この方法は、車内に対しても有効です。
⑤の汗臭ですが、一般的には、②と同様に市販の消臭スプレーをかけるということになるのですが、別のにおいで被せるという方法になるので、除去しているわけではありません。
最近の高級車はファブリックシートよりもレザーシートが主流に見受けられます。
ファブリックの場合、汗が中に染み込んでしまうと、臭いを消すのが大変になります。
一方レザーの場合、人間の汗と動物の皮革が組み合わさることで、臭いも発生しますし、皮自体も汗の塩分でダメージを負ってしまいます。
ところで、シート以外にも常に乗車している人と密着しているパーツがあります。
それは・・・『シートベルト』。
ここも汗を吸い込みますので、時間が経つと臭いの発生個所となります。
シートやシートベルトに付着した汗を取り除く方法は、「洗う」、「水拭き」するのが一番手っ取り早いと思います。
これは、シート以外のステアリングやシフトレバーや各スイッチのところにも応用できます。
●水1リットルあたり、台所用の中性洗剤30㏄前後を入れた洗剤液を浸したタオルで車内を拭きます。
●次に、水だけの液に浸したタオルで再度拭きます(洗剤液を拭き取る意味合い)
●その後、乾いたタオルで乾拭きをします。
●最後にレザーパーツやメッキのところは、購入時についてきたレザーケア用品や、市販のアーマオール、グラスターゾルオートで、艶出しとかしてあげるといいですね。
アーマオールやグラスターゾルオートは、少し臭いがしますので、使用時には注意してください。
⑥体臭・香水によるにおいですが、車内という密室性と前席に運転手、後席に乗客という位置とエアコンの風の流れから、少しの匂いでもすぐにわかってしまいます。
当社ショーファーサービスの場合、運転手には、体臭・口臭についても、業務の性質上、細心の注意を求めています。
簡単に言うと、
●食事(臭いのきついものを食べるのを控える)
●歯科(定期的に歯医者に行き、虫歯、歯周病の予防・治療を行う)
●デオドラントケア(夏場は予備の下着を持って勤務にあたる、汗拭きシートを活用する)
です。
食べ物の制限は、忍びないところもありますが、職務柄クレームを貰わないためにも、役員車運転手は、こんなところにも気を遣っているのです。