役員運転手のルートの気遣い:ショーファーサービスのコラム2019.8.7
7月29日、気象庁より関東甲信地方の梅雨明けが発表されました。
平年より8日ほど遅い梅雨明けだそうです。
- いよいよ夏本番。でもこの時期やってくるアイツ
- さて、さっそく、東京地方は連日猛暑が続いております。
人にも、車にも大変な時期です。そのうえ、もう一つ心配なことが、それは・・・
「ゲリラ豪雨」
昔なら、夏の季語にもなっている「夕立」なんて風情のあるレベルの雨だったのですが、ここ数年は、そんな風情など微塵もない、情け容赦のない滝行のような雨が降ってきます。
それも雨だけならまだしも、時にはゴルフボールくらいの大きさの雹も伴って降ってきます。
降雹してしまうと車のボデー・ガラスを傷つけられてしまう可能性があるので、降雹後は、きちんと車体の傷などを確認してください。
ちなみに、雹による被害は『飛来中または落下中の他物との衝突』に該当するので、車両保険に加入している場合は補償が受けられます。
そのゲリラ豪雨ですが、雹害のほかにも心配になることが生まれます。
「車が水をかぶる」「水没する」ということです。
毎年、台風やゲリラ豪雨による水害で車が水没し、乗車中の方が亡くなられるという痛ましい事例がニュースされますね。
近年の自動車は、機械というより電子部品の塊。
特に、内燃機関(エンジン)と電動機(モーター)を動力源にした電気式ハイブリッド車や、プラグインハイブリッド車、電気自動車は、車体の至る所に電子部品が組み込まれています。
そんな「電子部品の塊」が水をかぶることになれば、簡単に壊れる・動かなくなることは、明らかです。そして、水が引いたあとも注意が必要です。
2018年の西日本集中豪雨の際に、国土交通省や日本自動車連盟(JAF)では、感電、火災の二次被害防止の観点から、浸水被害を受けた車両を使用しないよう呼び掛けています。
※JAFニュース2018年7月9日 http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2018_16.htm - 大雨で冠水・・・
- 交通政策により、主に都市部では交通量の多い道路同士や、道路と鉄道の交差部分を平面交差から立体交差にするようになっています。
主に渋滞緩和や踏切事故防止、ダイヤの定時性確保と輸送力の増大が目的のようです。
特に、踏切については、立体交差化による廃止が進んでいます。
「道路法」や「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」により、今後、鉄道は道路と平面交差してはならないと明確に定められているからだそうです。
その立体交差の方法は、①一方が平面で他方が上空を通過する「オーバーパス」と②一方が平面で他方が地下を通過する「アンダーパス」の2種類に分かれます。
前段の水没する可能性があるのは、②のアンダーパスの立体交差で、地下道を通過する際におきます。
自動車はある程度の冠水や浸水に耐えられるように設計されています。
豪雨などによって発生した水深のある冠水道路を走行することができるのはそのためです。
しかし、一定の水深を超えてしまうと、後輪タイヤが浮き上がる、エンジンに水がかぶり止まる等の運転に影響が起きます。
そして、一番恐ろしいのは、水圧によりドアが開かなくなることにより、脱出することができなくなることです。
JAFでは、JAFユーザテスト内にて、冠水路走行テストや、水没時のテストを公開しています。
意外にも、少しの水深で、水圧により普段の何倍も力をかけないとドアが開かないことがデータ上、判明しています。
筆者の記憶では、10年くらい前に福岡県のビルの地下室が浸水、水圧でドアが開かなくなり、中にいらした方が亡くなられたというニュースがありました。
※ JAFユーザテスト http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/submerge/
あくまでも実験として行っているので、実際の場面のおいては、パニック状態になり冷静な判断ができなくなることは、明らかです。
従ってまずは、「冠水しやすい道路を避ける」ことです。
ということは、普段からメインルートとは別に、いくつもの予備ルートを調べ、把握しておくことが重要です。
アンダーパスのある道路はもちろん、くぼんでいて水が溜まりやすいところも避けるべきと考えます。
ちなみに、水たまりを走行する際、通行人に水が撥ねないように走行しなければなりません。
れっきとした道路交通法違反になります。
※道路交通法第71条1号
ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。 - やっぱり地理を把握することは重要
- 当社の運転手の入社時研修においては、ナビゲーションシステムを有効活用することは伝えていますが、「ナビに頼り切りになる」ことは認めていません。
やはり、昔ながらの冊子および見開き型の地図をみて、実際に走行して、地図に注意すべきところを記入して、覚えるようにしています。
「ナビに頼り切りになる」ことは、応用が利きにくくなりますし、まず自発的に道路やランドマークを覚えるという意識につながりにくくなります。
状況をみて、迂回ルートを思いつくという動作に至りにくくなります。
マイナス要素を限りなく減らしていくためにも、役員運転手は考えてルート選びをしています。