役員車は見られている:ショーファーサービスのコラム 2020.3.16
毎日、新型コロナウイルスによる色々な影響がニュースに出ている中で、道路交通法改正案が3月3日に閣議決定されました。
現在開催されている通常国会にて可決成立すれば、今年の夏ごろには施行される見通しと伝えられています。
- 改正される主要項目は3つ
- 今回の改正案は主に3つの項目に分けられます
1、「あおり運転」に対する処罰の厳罰化
2、高齢運転者対策
3、二種免許取得条件の緩和
となっており、やはり1の「あおり運転」に対する処罰の厳罰化が、最重要項目と考えられます。 - 「あおり運転」の明確な基準が定められる
- これまで、車間距離を極端に詰める(第26条の車間距離の保持に違反)など道路交通法に違反したとして検挙された「あおり運転」は、2019年は全国で1万5065件(2018年比で、2000件以上増加:警察庁発表)と伝えられています。
また、「あおり運転」によって起こされた事件・事故も、メディアで多数挙げられています。
そこで、今回の改正案において、「あおり運転」は
「他の車の通行を妨害する目的で、交通の危険を生じさせる恐れのある行為」
と規定し、前方の車への著しい接近、急な進路変更などを執拗(しつよう)に繰り返し行った場合が対象と法律上の位置づけがされることになりました。
「あおり運転」にあたる主な違反行為として挙げられているものは、
・不必要な急ブレーキ
・前方の車への著しい接近
・急な進路変更
・左側からの追い越し
・執拗なクラクションやパッシング
・幅寄せや蛇行運転
・高速道路での最低速度違反や駐停車違反
などとなっています。
改正案では、違反した場合の罰則について、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、高速道路で他の車を停車させるなど「著しい交通の危険」を生じさせた場合は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」に厳罰化されます。
また行政処分の方も、あおり運転として摘発されると、即免許取消となり、免許を再取得できない欠格期間は2~3年程度となる見込みとの発表がされています。 - 役員車は見られている
- 街中で走行中の黒塗りの高級車を見た場合、一般的には『企業の役員車が走っている』という認識がされると思います。
そして、運転するドライバーさんに対しては、その会社で雇用されているドライバーさんか、契約している業者のドライバーさんかは見分けがつかないと思います。また、一般道や高速道路走行中において黒塗り高級車が走行していれば、運転している周囲の車両は少なからず意識します。
そこで、役員車が車間を詰めたり、パッシングやクラクションを不必要にしたりすれば確実に目立ってしまいます。また、ドライブレコーダーが搭載されていれば、その画像・映像がソーシャルネットワークサービス(SNS)を介して多数の目に止まり、場合によっては、車両やドライバーが特定されることもあり得ます。
ショーファーサービスは役員車の運行業務を担う仕事をしています。
ドライバー教育においても、契約先企業での訪問先(ホテル、会食場所、ゴルフ場、オフィスビル)では、「契約先企業のドライバー」として見られてしまうということを伝えています。
運転の所作やマナー、走行方法についても、「役員車として周囲からみられている」ことを意識した走行をするように教育しています。
ゆとりをもった車間距離や、不必要なパッシングやクラクションをしないことで、交通事故の回避や快適な移動空間の提供にもつながります。
安全に、快適に送迎するということは、決して自分勝手な運転をしないということに他ならないのです。
ハンドルを握るすべての人が、こころにゆとりをもって運転することで、安心して道路を利用できることを切に願っています。